本:悪童たち 上•下/紫金陳 訳:稲村文吾/ハヤカワ文庫

作者は中国人で、中国で社会現象を巻き起こしたドラマ化原作小説。日本でも舞台を沖縄に移して、岡田将生主演でゴールド・ボーイとして映画化された。優等生の中学生の朱朝陽の元に、小学生の時に友達だった丁浩と妹分の普普が尋ねて来る。3人で遊びに行った景勝地で、カメラでビデオを撮影していると老夫婦の殺人の現場が録画されていた。悩む3人だったが、北京の少年院から逃げて来た2人と、離婚した父親から見捨てられ母子家庭になり、経済的に苦しい朝陽は、犯人の張東昇から金を恐喝することを選ぶ。そして、朝陽はある日激昂して、父親の現妻の娘の義理の妹を殺してしまう。3人が一緒にいることを知られてしまうと、犯行がバレてしまうのを、恐れる朝陽。そして、父親の現妻にお前が犯人だと、決めつけられ、ひどい行動に出られ、ついに父親に義絶を言いわたされる。ここまでが上巻。面白い。3人の中で普普が一番冷静で、朝陽は頭の良いところを見せる。経済的に妻に握られて、金を渡せない東昇は妻も殺す。下巻では、父親に義絶されたことで、父親に絶望し、父親と現妻の殺害を東昇にするように迫る。普普に一度は父親は殺してはいけないと止められた朝陽だが、考えは変わらず、丁浩と普普を説得し、ついに東昇も承諾する。朝陽は疑いを避けるため、学校へ行き、3人で夫婦を殺害することに成功する。その後、子供3人は東昇の家で全てを完了したことを祝うが、子供3人は東昇に毒殺されそうになるが、見抜いていた朝陽だけは毒殺を免れ、逆に東昇を刺殺する。丁浩と普普は死に、朝陽も自分に疑いが掛らないように自分を傷つけて、疑いが掛らないようにする。警察の調査が入るが、朝陽が書いていた日記が証拠となり、警察の朝陽への疑いは晴れる。しかし、かつて警察に勤務し今は大学の教授となっていて、東昇の妻の親戚でもある厳良は、日記が1ヶ月以内に作られたことを警察の科捜研から知らされて、朝陽が全ての犯行に手を染めていたことを知る。そして、朝陽が何故日記を書いたのか何を日記に隠したのかが解らないまま、警察にそのことを告げるべきか悩むところで、小説は終わる。小説とドラマは大分違い、日本の映画は小説に近い感じだった。小説も中国ドラマも日本映画のどれも面白かった。