前読んだ、「日本スゴイ」のディストピア、は戦前の日本スゴイを紹介していたが、
今作では、戦後するから、現代まで、しぶとく生き残り、ますます拡大する、「日本スゴイ」を書いている。発刊は、2025年6月なので、去年。
「日本スゴイ」のテレビ番組の仕組み、「日本人」をわけのわからない理由で右派が再定義している話、新設された道徳教育の戦前回帰さ、彼が定義する「日本人」は「清潔好き」「論理的でなくて良い」「嘘はつかない」を、なんのエビデンスも無く、使っている事に、呆れる。
「選択制夫婦別姓」を嫌がる右派は、福祉や社会保障の切り捨てのためにも、家族が一体となって相互補助する理由として固執する、という話。
タイの元記者、元首相が、記者時代に言ったとされる、戦前日本を肯定する「日本というお母さん」という文章が、1968年以降、記者時代の発言として、右派に現代まで、何度も引用され続けているが、何年の何月何日のどのメディア、という出典を示して書いたものは皆無だとのこと。唯一書いたのが百田尚樹の「日本国起」で新聞が出典だったが、著者があたってみると、タイの記者は記事を書いているが、上記の内容ではなく、出典はデタラメだった、とのこと。
現代にも残り続ける、「教育勅語」好きの人たちの話。彼らは良いことも書いてある、というが、おそらく「教育勅語」を読んだ人は1人もいないだろうとの事で、彼らが読んでいるのは、「国民道徳協会」が出している現代訳版で、そこではワザと、現代では都合が悪い、「教育勅語」の根本である、天皇への絶対的服従などの、天皇に関する部分を抜かしている、とのこと。かの安倍晋三首相の夫人が関わっていた、森友幼稚園で、幼稚園児たちが「教育勅語」を唱和し、「軍歌」を歌う、という気持ちの悪い話における「教育勅語」のあり方も、戦前のままではなく、現代的アレンジになっているという。
戦前の「教育勅語」は、最初は小学生が校長先生が読み上げるのを直立不動で聞くものだったらしい。しかし、それではダメだ、覚えさせろ、となって、聞くだけでなく、明治末から暗唱・暗記が一般化したらしい。
右派がやりたい事として、この問題が起きたときAbemaTVで、片山さつき議員が「われわれのようなオーソドックスな保守派が、日本のよさを戦前回帰でない形で伝えるために、どれだけ神経を使って来たか」と発言したらしい。
右派が、巧妙に戦前回帰を目指しているのがわかる発言。
面白い本だった。