秦末、楚漢戦争時代を舞台にした小説、5篇からなる短編集。季布、盧綰、陸賈、劉肥、叔孫通が、主人公。あまり面白く無かった。
本:秦の始皇帝 伝説と史実のはざま/鶴間和幸/吉川弘文館
史記に書いてあることと、出土史料などを比較して、史実を求めて書いている。出土史料からは秦律が出ていて、秦の民衆が首を取ると一爵貰えるという法律によって、昇爵を目指したことが描かれている。始皇帝と言えば、諸制度の統一を行なったとなっているが、文字の統一はそれほど求められてなく、文書の書式の統一が行われていたらしい。貨幣の統一では、黄金、布帛は統一されたらしいが、銭は地方で作られたりしていて、大きさもバラバラだったらしい。秦と言えば法律が全てのように思われるが、占いも盛んに行われていて、何か大事なことは占いで行動を決めていたらしい。秦の統一後、始皇帝が死ぬまでは、前半と後半に分けられ、前半は平和、後半は北方の匈奴との戦いと南方の百越との戦いが行われていたらしい。
本:多元的中華世界の形成 東アジアの「古代末期」/佐川英治:編/臨川書店
難しくてよくわからなかった。「漢」が400年という長い期間、統治が続いたため、国家の規範となり、皇帝と言えば劉氏、国号と言えば漢という考えが、広く共有されていて、魏晋南北朝期には、劉氏を名乗り、漢を号する国家が多かったらしい。
映画:あまろっく
江口のりこ、中条あやみのW主演。笑福亭鶴瓶が父親役、中条あやみが鶴瓶の20歳の再婚相手、江口のりこが鶴瓶の娘役。他には、父親の若い時役で松尾諭、江口のりこの友人役で鶴瓶の息子の駿河太郎が出ている。浜村淳も出ていたらしいが、気が付かなかった。監督は、中村和宏。「あまろっく」とは「尼ロック」のことで、尼崎市が海抜0メートル地帯のため、海水が流れ込むのを防ぐために作られた、尼崎閘門のこと。エリート会社員だった江口のりこが、リストラされて実家に帰ると、父親が若い娘と再婚し、三人の同居が始まる。そして、という話。江口のりこの縁談相手役の中林大樹さんという役者さんは知らなかったが、なかなか良い役だった。面白かった。やっぱり、江口のりこは良い。